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寄宿舎生活(7)

ブログを書くスピードが遅いので、
問題解決を書いている間に肝心のチャロが家に戻った。
チャロのクラスは秋クラスと春クラスの年2回しか開催しないので、
秋クラスが終了してから春クラスが始まるまでお預かりしていた。

とはいえ、問題解決については最後まで書こうと思う。
少しずつにはなるだろうけれど…。

チャロを送り届けて生活での注意点をお伝えしお別れ。
生活が一挙に静かになり少し寂しくなるだろうなと思っていた。
(反対にチャロの家は賑やかになるのだろうな…)

ところがプライベートクラスでいつも通っているお家の犬を
急遽お預かりすることになり、その足で迎えに行く。
老犬キーパとの静かな生活にはまだ戻れない運命らしい。

さて、本題に戻ろう。
引っ張りを止められるようになれば拾い食いの防止練習に移れる。
抑制の練習だが、勉強会報告3でも書いたように、
犬がガマンを自ら選択するような環境を設定する。

その際、便利なのは「あっ」という合図。
「離れなさい!(Leave it!)」と原理は同じだと思う。
「好子消失による弱化」と「好子出現による強化」で教える。
対象に「近づく行動」を弱化し、「離れる行動」を強化する。
この「あっ」の原理は考えるととても面白そうなのでまたの機会に。

イタズラや拾い食いをしようとしたら合図をだし、
リードで犬の行動を止め、もしくはご褒美になるものを隠し、
犬が諦め離れたら「そう」でフード。
徐々に「犬が対象から離れればフード」に変えていく。

チャロは好奇心旺盛だから何にでも鼻をつける。
近づけるのではなくて、押し付ける感じで匂いを嗅ぐ。
テーブルの上のものには鼻をつけないようにしたいので、
「あっ」は大活躍。でも最低4,5回は繰り返さないとやめない。

弱化のタイミングは「ビーグルのタブー」が有名。
1968年Solomonによる「罰の効果」の実験。
1歳半のビーグル犬18頭に対して行われた。

この実験は「正の弱化」のタイミングについてなのだが、
「負の弱化」でもタイミングの重要性は同じなので、
中島定彦(2007)『イヌの認知能力に関する心理学研究』
生物科学第58巻第3号から少し長いが簡単に紹介する。 

①1頭で部屋に入れられたイヌは、実験者1名が座る椅子の前に置かれた2枚の皿に、好みの餌(缶詰肉)と好まない餌(固形飼料)がそれぞれ入っているという状況に置かれる。ここで缶詰肉の皿を選んでしまうと、罰として丸めた新聞紙で実験者に鼻面を一発叩かれた。

②6頭のイヌは缶詰肉に口をつけた瞬間に叩かれ、別の6頭は食べ始めてから5秒後、残りの6頭は15秒後に叩かれた。この手続きを1日1回行い、20日連続して缶詰肉を避けて固形飼料を選択する基準まで訓練した。

③その後、実験者がいない状況で缶詰肉の入った皿と固形飼料の入った皿のどちらを選ぶかが試された(1日10分間)。タブーを破って缶詰肉を食べるまでの日数は、罰訓練時の遅延時間が長いほど短かった。(遅延ゼロ群で平均16.3日、5秒遅延で平均8.2日、15秒遅延で平均0.3日)

④即時罰のイヌ(遅延ゼロ)のイヌはひとたび缶詰肉に口をつけるとむさぼるように食べたのに対して、遅延イヌは容易にタブーを破ったが、食べている間にしばしば逡巡していたことである。

③から、やめさせたい行動は行動を始めてから5秒以内に止めること、
④から、犬はその行動を「すること」と「していること」を
分けて理解していることが推測される。

つまり、即時罰の犬は「食べよう」としたことに罰を受けたが、
「食べている」ことに罰は受けていない。
逆に15秒遅延では「食べる」ことに罰を受けていないが
「食べている」ことに罰を受けた。
鼻面を叩かれた犬には面白くもなんともないだろうが、
犬の認知がわかって興味深い。

話はチャロの拾い食いに戻る。
チャロがわが家に来たのは生後7か月。
当時は他の犬や猫?の匂いにはほとんど興味を示さず、
片っ端から匂いを嗅いでは口に入れていたのが、
生後10か月近くになって他の犬の匂いに反応し始めた。

チャロ散歩伊勢

足を上げることはないがマーキングも始めた。
少しオトナになった様子。
やみくもになんでも口に入れることは少し減ったと思う。

チャロが何か見つけた時、それがくわえてほしくない物の場合は、
「あっ」と声をかけつつ歩き続け、ついて来れば褒める。
その時には美味しめのフードを使う。
繰り返すとすぐに諦めてついてくるようになる。

くわえてもよい物、例えば木の枝とか大きめの石、木の実などは
そのまま放っておくか、「いいものくわえてるなぁ」と撫でる。
たまに「チョウダイ」でもらうか、「ぺッ!」で吐き出させる。

これを繰り返すと、困るものはくわえなくなってくるし、
くわえたものを見せに来てくれる。
口から奪うと価値が上がり、守ったり飲み込んだりすることになる。

また、匂いを嗅がないで近くを歩く練習も並行して行った。
これでチャロの拾い食いはほぼ問題なくなった。

最後に、一番厄介な要求吠えと分離不安のお話しを。



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