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「する」と「している」のタイミング

少し古いが、犬が罰のタイミングをどう理解しているか?
という実験があった。
スタンレー・コレン氏やパメラ・リード氏の本にも紹介されているが、
中島定彦氏の論文で詳しく解説されている。
(「イヌの認知能力に関する心理学研究」生物科学58巻第3号)
簡単に説明してみると…

1968年Solomonの行った実験で、
部屋に缶詰の肉とドライフードの入った2種類の皿を置き、
犬が缶詰の皿を選ぶと鼻先を叩かれる。
(ドライフードはOK!)

1頭ずつ計18頭が1日1回20日間連続して行い、
全頭がドライフードしか食べなくなった。

ただ、犬たちは3つのグループに分けられていて、
最初のグループは「缶詰の皿に口をつけた瞬間(0秒後)」に叩かれ、
次のグループでは「缶詰の皿に口をつけてから5秒後」に、
最後のグループは「缶詰の皿に口をつけてから15秒後」に叩かれた。

次に実験者(犬の鼻先をたたく人)が消え、
1日10分間1頭ずつ部屋に入れ何日目に缶詰を食べるかを試された。
結果は…
最初のグループは16.3日、次のグループも8.2日で食べたのだが、
最後のグループはなんと初日の3分で食べてしまった。

このことから、叱るのなら悪い行動の終了後5秒以内に、
というルールが導かれる。

ここまではスタンレー・コレン氏や
パメラ・リード氏の著書にも出てくるのだが、
中島氏の論文には缶詰を食べた時の犬の様子が紹介されている。

「0秒後」のグループはひとたび口をつけるとむさぼるように食べたが、
「15秒後」のグループはすぐに食べ始めたがためらいながら食べた。

すなわち最初のグループは「食べようとした」ことに罰を受けたが、
「食べている」ことに罰を受けたわけではない。

また、最後のグループは「食べる」ことに罰を与えられたのではなく、
「食べている」ことを罰せられたのだ。

これからわかることは、犬にとって何かを「する」ことと
「している」ことは分けて考えているらしいということ。
なので食べることをやめさせたければ、
「食べ始めてから5秒以内」に叱らないといけないことになる。


犬とのコミュニケーションでは、このタイミングの理解が欠かせない。
人が「フセ」と言って、犬が伏せた瞬間に褒めれば
犬は「伏せる」ことを褒められたと理解するだろうし、
伏せてから15秒後に褒めれば、
「伏せている」ことを褒められたと理解するだろう。

とすれば、犬に「伏せ」を自発させたければ
伏せた瞬間にフードを与えればよく、
伏せ続けていたいと犬に思わせたければ
15秒以上(以降に)与え続ければよいことになる。


罰を与えない実験ならよかったのにと
45年後につぶやいても仕方ないのだが、
犬の認知を知ると少し犬に近づいた気になれて嬉しい。
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