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勉強会報告4

勉強会報告の続き。
今回は昨年10月の勉強会のご報告。

◆動愛法の改正について
平成24年9月5日に公布された改正動愛法。改正のポイントを解説。

ポイントは「動物取扱業のさらなる適正化」と「終生飼養の徹底」
まずは動物取扱業者について
犬猫等の販売業者の健康安全計画の提出と飼養状況の報告の義務付け
健康安全計画とは幼齢の犬猫と販売が困難になった犬猫の取り扱い

次に週齢規制 
施行後に生後45日以内の犬猫の繁殖業者からの引き渡し禁止
施行から3年後に生後49日以内の引き渡し禁止
法の定める日から生後56日以内の引き渡し禁止
ちなみに45日は業界の自主規制値

購入時の現物確認と対面説明の義務付け(ネット販売の規制)と
第二種動物取扱業者の届出義務
第二種…とは営利性のない愛護団体などのシェルターを想定している

その他、多頭飼育の適正化で
多頭飼育を要因とする「虐待のおそれがある場合」の勧告
終生飼養の趣旨に反する場合、動物取扱業者からの引き取りを拒否
引き取った犬猫の返還・譲渡に努める

また、動物愛護推進員の活動に
災害時の動物避難や保護等に対する協力が追加される

罰則について
酷使、疾病等の放置、不衛生な状況での飼育等の虐待例を明記
罰則強化として
愛護動物の殺傷が2年以下の懲役・200万円以下の罰金に
愛護動物の虐待・遺棄は100万円以下の罰金
無登録動物取扱営業が100万円以下の罰金

その他の細かい改正については、環境省のHPを。

◆災害について
地震や津波に襲われたときに何が起こるのか?
その対策は?を考えてみる。
神戸や東北の震災時にボランティアとして現地に入った経験のある参加者の体験と、セミナーでスピーカーを務めた参加者からその内容を解説。

ボランティアとして活動した方々から、
数十~数百の犬たちを前に奮闘した経験をお話しいただく。
咬傷事故や犬の扱い方の違い、ボランティア間の意見の相違など
生々しい話も。
そんな問題を回避するためには先に受け皿を作り、
組織や倫理規定を決めておく必要がありそう。

次に、災害が起こった時のために
飼主さんに何をしてもらう必要があるのかを確認。
簡単にまとめると、
1.人の防災、2.災害時の問題点その対策(しつけ)、
3.備蓄品の用意、4.居場所の点検、5.助け合える仲間づくり、
6.避難訓練、7.個体識別、8.避難所での注意点(行政の対応確認)
など。

◆『ティーチングドッグ』(アンジェラ・ストックデイル)を鑑賞。
以前セミナーに参加した薄―い記憶を基にあいまいな解説。
犬に役割を持たせ、犬同士で学ばせるという手法。
遊びでコミュニケーションをとる役割の犬、
無礼を取り締まる警察のような犬、
どっしり落ち着き大事な時にのみ出てくる犬など。

◆フリースタイルの大会?映像を鑑賞。
最近、浜松で開催のフリースタイル発表会への参加者が増えて、
三重ではちょっとしたブーム到来の予感。
浜松の皆さん、来春も楽しみにしております!

◆もう何度目かの体罰を使用する訓練の映像観賞。
初めて早送りなしでフル観賞。
体罰を使ったトレーニングで人道性のかけらもない犬への扱い。
何度見ても犬たちが哀れ。

◆『犬と猫の行動学』(学窓社)の中のケーススタディを読む。
今回は恐怖からくる攻撃行動への対処と
若い犬の要求・警戒・縄張り・飼い主を守る吠えについて対応を検討。
次回は最近リメークしたコンサルテーションシートに合わせて
問題行動の分析を行なってみることに。

◆効果のあった罰について再度議論に。
他犬への吠えをリードで制止すると転嫁行動で飼主を咬む犬を、
転嫁攻撃を止めるためにリードで釣り上げて前足を浮かせたところ、
しばらくは抵抗の後、諦めたように力が抜けたのでリードを緩めた。
それ以来、他犬に吠えることがなくなったとのことで、
これをどう考えるかというお話し。

学習という視点からは、咬まれないようにする必要から
転嫁攻撃を止めるための一時的なつり上げはやむを得ないと思う。
だが、その状況が起こらないように環境設定することが重要。
脱感作と拮抗条件づけ、分化強化が定石か。

テンプルグランディンの著書にも記述のある話。
攻撃的なグレートデンをもみ殻のプールに入れて動けなくすると
その時に前にいた人には攻撃的な態度を見せなくなるという実験。
まったく抵抗できない状況に置かれ、その状況と人を関連づけると、
犬はその人に攻撃しなくなるという可能性がある。

この効果を利用してホールドスチルや仰向けに押さえつけることが
行われていたのだろう。
強制的な押さえつけは恐怖刺激のフラディングに近い対応だと思う。
であれば鋭敏化が起こる可能性がある。

また、攻撃行動に罰を与えると情動的な反応が見られ、
状況がさらに悪化するリスクもある。

悪い結果を招いた例として、
犬を罰するためにリードで釣り上げて犬を蹴ったために
リードが張るたびにハンドラーの腕を咬むようになり
一生を檻の中で過ごした犬の話(本当!)がある。

床のフードを守って手を咬みに来た犬の首をつかんだ結果脱糞し、
つかんだ人が何をしても怒らなくなったのだが、
床のフードをより守るようになった犬の話(本当!)をご紹介。

また、人道的な見地からは、肉体的・精神的に苦痛を与えないことが
前提条件になるので、違う手法を取るべき。
人に例えると、他人にすぐに喧嘩を売る人の首を吊りあげて
「殺すよ」と脅した結果、他人に喧嘩を売らなくなったことを
認めるべきかという問題。

罰を使うことに対する自己強化は非常に強いなという印象。
効果とデメリットの観点からと人道的な見地からの発想が重要だ。

以上

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寄宿舎生活(7)

ブログを書くスピードが遅いので、
問題解決を書いている間に肝心のチャロが家に戻った。
チャロのクラスは秋クラスと春クラスの年2回しか開催しないので、
秋クラスが終了してから春クラスが始まるまでお預かりしていた。

とはいえ、問題解決については最後まで書こうと思う。
少しずつにはなるだろうけれど…。

チャロを送り届けて生活での注意点をお伝えしお別れ。
生活が一挙に静かになり少し寂しくなるだろうなと思っていた。
(反対にチャロの家は賑やかになるのだろうな…)

ところがプライベートクラスでいつも通っているお家の犬を
急遽お預かりすることになり、その足で迎えに行く。
老犬キーパとの静かな生活にはまだ戻れない運命らしい。

さて、本題に戻ろう。
引っ張りを止められるようになれば拾い食いの防止練習に移れる。
抑制の練習だが、勉強会報告3でも書いたように、
犬がガマンを自ら選択するような環境を設定する。

その際、便利なのは「あっ」という合図。
「離れなさい!(Leave it!)」と原理は同じだと思う。
「好子消失による弱化」と「好子出現による強化」で教える。
対象に「近づく行動」を弱化し、「離れる行動」を強化する。
この「あっ」の原理は考えるととても面白そうなのでまたの機会に。

イタズラや拾い食いをしようとしたら合図をだし、
リードで犬の行動を止め、もしくはご褒美になるものを隠し、
犬が諦め離れたら「そう」でフード。
徐々に「犬が対象から離れればフード」に変えていく。

チャロは好奇心旺盛だから何にでも鼻をつける。
近づけるのではなくて、押し付ける感じで匂いを嗅ぐ。
テーブルの上のものには鼻をつけないようにしたいので、
「あっ」は大活躍。でも最低4,5回は繰り返さないとやめない。

弱化のタイミングは「ビーグルのタブー」が有名。
1968年Solomonによる「罰の効果」の実験。
1歳半のビーグル犬18頭に対して行われた。

この実験は「正の弱化」のタイミングについてなのだが、
「負の弱化」でもタイミングの重要性は同じなので、
中島定彦(2007)『イヌの認知能力に関する心理学研究』
生物科学第58巻第3号から少し長いが簡単に紹介する。 

①1頭で部屋に入れられたイヌは、実験者1名が座る椅子の前に置かれた2枚の皿に、好みの餌(缶詰肉)と好まない餌(固形飼料)がそれぞれ入っているという状況に置かれる。ここで缶詰肉の皿を選んでしまうと、罰として丸めた新聞紙で実験者に鼻面を一発叩かれた。

②6頭のイヌは缶詰肉に口をつけた瞬間に叩かれ、別の6頭は食べ始めてから5秒後、残りの6頭は15秒後に叩かれた。この手続きを1日1回行い、20日連続して缶詰肉を避けて固形飼料を選択する基準まで訓練した。

③その後、実験者がいない状況で缶詰肉の入った皿と固形飼料の入った皿のどちらを選ぶかが試された(1日10分間)。タブーを破って缶詰肉を食べるまでの日数は、罰訓練時の遅延時間が長いほど短かった。(遅延ゼロ群で平均16.3日、5秒遅延で平均8.2日、15秒遅延で平均0.3日)

④即時罰のイヌ(遅延ゼロ)のイヌはひとたび缶詰肉に口をつけるとむさぼるように食べたのに対して、遅延イヌは容易にタブーを破ったが、食べている間にしばしば逡巡していたことである。

③から、やめさせたい行動は行動を始めてから5秒以内に止めること、
④から、犬はその行動を「すること」と「していること」を
分けて理解していることが推測される。

つまり、即時罰の犬は「食べよう」としたことに罰を受けたが、
「食べている」ことに罰は受けていない。
逆に15秒遅延では「食べる」ことに罰を受けていないが
「食べている」ことに罰を受けた。
鼻面を叩かれた犬には面白くもなんともないだろうが、
犬の認知がわかって興味深い。

話はチャロの拾い食いに戻る。
チャロがわが家に来たのは生後7か月。
当時は他の犬や猫?の匂いにはほとんど興味を示さず、
片っ端から匂いを嗅いでは口に入れていたのが、
生後10か月近くになって他の犬の匂いに反応し始めた。

チャロ散歩伊勢

足を上げることはないがマーキングも始めた。
少しオトナになった様子。
やみくもになんでも口に入れることは少し減ったと思う。

チャロが何か見つけた時、それがくわえてほしくない物の場合は、
「あっ」と声をかけつつ歩き続け、ついて来れば褒める。
その時には美味しめのフードを使う。
繰り返すとすぐに諦めてついてくるようになる。

くわえてもよい物、例えば木の枝とか大きめの石、木の実などは
そのまま放っておくか、「いいものくわえてるなぁ」と撫でる。
たまに「チョウダイ」でもらうか、「ぺッ!」で吐き出させる。

これを繰り返すと、困るものはくわえなくなってくるし、
くわえたものを見せに来てくれる。
口から奪うと価値が上がり、守ったり飲み込んだりすることになる。

また、匂いを嗅がないで近くを歩く練習も並行して行った。
これでチャロの拾い食いはほぼ問題なくなった。

最後に、一番厄介な要求吠えと分離不安のお話しを。



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