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管理

前々回「ダメなものはダメ」で考えたように
「管理」は大きく分けて二つあると思う。
「物理的な管理」と「心理的な管理」だ。
「物理的な管理」はさらにふたつに分かれる。
ひとつは「資源」の管理でもうひとつは「環境」を管理すること。

「心理的な管理」はお互いがルールを守ることで
「悪い行動が報われない」ようにする。

「物理的な管理」は、リードやサークル、クレートや目隠しなど
物によって上記と同じ機能を果たすのだが、異なる役割もある。

「物理的管理」の「資源の管理」から考えてみる。
これは「悪い行動が報われない」ように行う「管理」とは異なり、
「資源のご褒美化」のための管理だ。
言い換えれば確立操作としての管理である。

犬が生きていく上で欠かせないものやことを「資源」と呼ぶ。
管理されている資源は「ご褒美」となり得る。(資源のご褒美化)
なり得ると書いたのは、いくら人が管理していても
犬に要求されて与えるものは「ご褒美」とは言わないため。

犬の基本的な「資源」は自由に得られるようにすべきだと思う。
ただ、飼主の意思を尊重する「意味」を犬が持つためには
飼主と犬の「絆」と資源の管理(ご褒美化)が必要になる。
(絆についてはまたの機会に考えたい。)

「資源」を「管理」し、ご褒美化する場合、
資源の種類が多ければ多いほど飼主の魅力は増す。
食べ物のご褒美だけを使っている人の魅力=食べ物となってしまう。
それ以外のご褒美をたくさん持っておきたい。

次に「環境の管理」について考える。
環境の管理はさらに2つのパターンがある。
ひとつめは、悪い行動が報われないための管理。
ふたつめは、学習の際、成功率を調整するために行う管理。

ひとつめの管理を考えてみる。
繰り返すが、犬にルールを伝えるために必要なのは
「良い行動に関心を向け、悪い行動は報われないよう管理する」こと。
このときの管理が「環境の管理」。

もちろん良い悪いは人にとっての基準で犬にとってはただの行動。
こうして共通のルールを犬と築いていく。

ふたつめは学習の際の環境の管理について。
犬にこちらの意図することを考えてもらう場合、
簡単に犬が諦めないためには、まず、小さな成功が必要になる。

その際、成功率は50%を超えている必要がある。
そうすることでモチベーションを下げずに次の成功へと導ける。
(もちろん違う方法もありますが…。それは後日にまた。)
成功率を維持するためのものが学習の際の管理。

このように良い行動は頑張れば報われると教え、
悪い行動は強化が起こらないように徹底して管理する。
これを繰り返し、おりこうになれば(心理的管理=抑制がつけば)
物理的管理は減らせる。

こう考えると「管理」といってもいろんな意味合いがあるなと思う。

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系統的脱感作

問題行動の解決手法には、
分化強化、消去、弱化、馴化、古典的条件づけなどがある。

恐怖反応の解決については、
系統的脱感作と拮抗条件づけなどがある。

これまで系統的脱感作は馴化の一手法、
拮抗条件づけは古典的条件づけの一手法だと思っていた。

拮抗条件づけとは、恐怖を感じる刺激と好子を条件付けて
感情を変えていくもので古典的条件づけの手順で行う。

で、系統的脱感作だが、
弱い刺激にさらし反応しなくなったら、徐々に刺激を強めていく手法。
これを馴化だと勘違いしていた。

馴化の一手法でもあるので、間違っているわけではないのだが、
古典的条件づけの一手法でもある。

つまり、恐怖刺激が無条件刺激(生得的な恐怖)の場合は馴化であり、
条件刺激(習得的な恐怖)の場合は古典的条件づけの消去となる。
(『アニマル・ラーニング』にちゃんとそう書いてあった!)

わかったつもり…はとても怖いですな。反省。

これまで行ってきた系統的脱感作と拮抗条件づけの方法が
間違っていたわけではなく、手法や手順に間違いはないのだが、
理解が浅く、原理と定義をわかっていなかったということ。

僕たちインストラクターは現場で困っている犬や飼主さんを前に、
持てる知識と技術を総動員して何とか現状を改善しようとする。
そしてその対価をいただいて生活している。

本来、問題行動には行動治療の専門家があたり、
我々の役割はその治療指針の趣旨にのっとった治療のお手伝いや、
問題を予防するためにできることを飼主さんにお伝えすること。

そして、楽しい犬との暮らしを提案し
「リードの両端の幸せ」のお手伝いをする、それが仕事。
しかし、実際に問題を抱える飼主さんと犬が目の前にいて、
身近な所には問題を解決できる専門家は見当たらないのが現状。

そんな中で少しでもお役にたてればと悪戦苦闘の毎日。
少しでも新しい情報があれば遠くても聞きに行き、
ベースとなる学問的な知識を得るために専門書を読みかじり、
飼主さんと話し合いながら現場で試していく。
(ある意味無責任な作業なので飼主さんの理解は欠かせない)

最近になって少しは知識も増え、解決法も見え、
経過もある程度予測できるようになってはきたが、
専門的な基礎学問や応用的な学問を体系的に学んだわけではない。
今回のようなことは頻繁に起こる。というかその連続。

犬や猫の行動治療の専門家が増えてくれば、
我々は本来の役割に専念することになるかもしれない。
社会的な意義はあると思うので経済的に成り立つ職業になるかどうか
がカギかもしれないが、そうなってほしいと思う。

それまでは、謙虚に正しい知識を学び、腕を磨く努力が必要だ。
かつ、科学的な視点を持ち続け、切磋琢磨できる環境を作りたい。

先日、ある研究者がおっしゃっていた。
科学者は常に「ホンマかいな」の視線にさらされている。
それによって少しでも正しい方向に進んできたのが科学。
トレーナーやインストラクターにもそういった視点と
検証の場があるとよりよくなるのではないか。

その通りだと思う。

ダメなものはダメ!

ルールを伝える際の鉄則は悪い行動が報われないように管理し、
良い行動を強化すること。

悪い行動を報われないように管理することを伝えるのが
「ダメなものはダメ!」
心理的な管理だけでなく物理的な管理を総動員しても伝えたい。

今回は「心理的な管理」として日常生活で使っている合図を考えてみる。
良い行動の直後には褒め言葉をかける。
僕の場合は「そう、おりこう」ってとこだろうか。

「そう」は、良い行動をマークする言葉で、クリッカーなどと同じ合図。
「今のが正解!」という意味で使っている。
クリッカーとの使い方の違いは、
その行動の終了か(クリッカー)継続か(そう)と
フードが毎回得られるか(クリッカー)否か(そう)?

「おりこう」は褒め言葉。
どちらも2次強化子だがマークの意味の有無がふたつの違い。
犬によっては「おりこう」と言ってもらえることなど
関心を向けることが1次強化子になっているだろう。

悪い行動に対しては「あっ!」や「残念!」、「こらっ!」
などの言葉をかけている。

「あっ!」は負の弱化(好子消失による弱化)を回避するための合図。
将来、好子が消失することを防ぐためにその行動が減る。
なのでこの合図が出ても行動をやめなければ好子が消えることを
しっかり伝えておく必要がある。
その際、やめた直後に「そう」での正の強化を忘れないこと。

「残念!」は負の弱化の合図。
やってしまったことの結果、好子が取り除かれる時の合図だ。
学習の過程、特に弁別の際に使うことが多い。
(その際のルールは成功率5割以上…詳しくはまたの機会に)

「こらっ!」は正の弱化の合図。嫌なことが起こる合図だが、
語調で1次弱化子となり得るだろう。
とはいえ、使う時は限定的でほとんどが「あっ」で済む。
(実際には「あっ」が嫌悪刺激として機能することがあると思うが…)

DSCN3566_convert_20120918080910.jpg

報酬をもとにしたモチベーショナルトレーニングでは、
体罰などの嫌悪刺激は使用しない。
メリットとデメリットのバランスが悪いこと、
人道的でないことがその理由。
犬を「痛い目」にあわせてコントロールしようとは思わない。

話は変わるが、
犬の感情は、脳の仕組みからみると人の基本的な感情と
あまり変わらないという。
もしそうなら人の不快な感情を伝えることはできるのではないか?
犬を不快にさせるのが目的ではなく、人の不快を伝える。

人の様子から犬がその感情の違いを理解できるか?という研究が
行われているようだが、必ずしもうまくいっていないようだ。
しかし、人の不快な感情の表出は感じているように思う。
というか感じているに違いない。

人の不快な感情の表出は
犬にとってみれば「正の弱化」として働くのでは?と思うが、
「脅し」ではなく、少しびっくりはする程度にしたい。
いずれにせよ抑制が働くことは間違いない。

わが家の場合は「ヤメテ」「イヤ」「イタイ」など。
いずれも飼主の関心が消える負の弱化の合図になっていると思うが、
言い方に感情がこもっている。

とはいえ「そう」「あっ」「残念」「こらっ」にも
感情はこもっていると思うが…。

「何?どうしたの?」ゲーム

これまでも犬とのコミュニケーションについては何度か書いてきた。
小さな要望を読み取ることがとっても大事だと言う話で、
犬との関係づくりに欠かせない要素だと思う。
人の母子関係では様々な研究があるようだ。

ボウルビィの愛着理論に基づいてエインズワースらによって考えられた
ストレンジ・シュチエーション法をご存じだろうか?
見知らぬ場所で子ども(1歳児)を他人に預けて母親が戻った時の
子どもの反応をもとに3つのタイプに分けたもので
「安定型」「回避型」「抵抗型」がある。

「安定型」は不安はあるものの母親が戻ると再び探索行動が見られる。
「回避型」は母親と距離をとり、不安などの感情が見られない。
「抵抗型」は分離の不安が見られ、戻った後も怒りの感情が見られる。

これらは環境要因や気質要因が関係するようだが、
母親の子どもに対する態度からくる経験的要因も大きい。
つまり、母親が子どもの要求に適切に対応していた場合は
「安定型」になりやすいということ。

犬に置き換えてみれば、小さなサインにしっかり応えていれば
良好な「きづな」は形成されやすいということだと思う。

で、おススメしたのが「何?どうしたの?」ゲーム。
三重弁では「なんなん?どうしたん?」ゲーム。
関西では「なんやねんな?どないしたん?」ゲーム。
関東では「なーに?どうしたの?」ゲーム。
中部では…

犬が何かしたそうにしていたら、先回りして与えてみる。
「水を飲みたいのか、どうぞ」と水を差しだすとか、
「冷たい水が欲しいのか」と氷を水に入れるとか、
「庭に出たいの?おしっこ?」と掃出し窓をあけるとか、
「背中がかゆいのか?」と背中を掻いてあげたり…。

あれっ?違った?ということも多いかもしれない。
犬にぷいっと無視されると少々気分を害するかもしれないが、
それはまだまだ犬の気持ちが読めていないということ。

しかし、最初は当たらなくても徐々に正解率が上がっていくと思う。
それが犬の小さなサインを読み取ることにつながる。
健康上の異変などにも気づきやすくなるだろう。
まさに「いのちのコミュニケーション」だ。

ただし、吠えたり、カリカリしたり、服を引っ張るなど
要求行動になったら飼主の負け。
犬には悪いが「後でね」と落ち着くのを待ってから
願いをかなえてあげてほしい。

「要望」には応えるがお行儀の悪い「要求」には応えない、
ということ。
早く犬との信頼関係を築くためには良いゲームだと思う。

ちなみに今年の12月にノンバーバルコミュニケーションにおける
きづなの形成について研究者をお呼びしてセミナーを開催する予定。
題して「ヒトとイヌのきづな」セミナー。
会場が決まり次第、HPなどでお知らせします。
乞う、ご期待!


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