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行動の優先順位

昔、「報酬に基づく動機づけトレーニング」を学び始めたころ、
やめさせたい行動の修正法は「管理」と「良い行動を教える」こと
ということに得心していなかった。

それだけでは、「その行動をしてはいけない」ということを
犬は学習できないのではないか、と考えていた。
当時、罰は不要ということで、その使い方は教えてはもらえない。
デメリットは教えられたが疑問は消えなかった。

プロになってからも、最初のころは罰を自分の犬に試していた。
それなりにメリットも感じたが、
犬の反応を見て徐々に「罰のデメリット」を体感していった。
(ナワック、キーパごめんね。)

今なら、やめさせたい行動への対応は
「悪い行動が報われないよう管理し、良い行動を教える」
ことだと言える。
(もちろん、手法はさまざまあるのだけれど…。)

悪い行動が報われなければ、
犬はかつてメリットのあった行動をとり始める。
で、その行動がうまくいかなければ次にメリットのあった行動を…。
これを行動の優先順位と呼んでいる。

行動の優先順位に「お行儀のよい」行動を入れるには
まずその行動を教えなくてはならない。
自ら自発するようになった行動は「行動レパートリー」と呼ばれる。

また、状況によって、行動の優先順位は変化する。
朝のお父さんには前で座れば散歩に連れて行ってもらえるが、
夕方のお母さんから野菜チップをもらうには吠えるのが効果的…。
もし吠えてもダメなときは、前足でカリカリとお母さんの足を引掻く。
っという具合。

なので、良い行動を教えるにしても、
さまざまな状況で良い行動が報われることを経験させる必要がある。

次にその行動が優先順位の上位に来るようにしっかり強化する。
これも上記のように様々な環境で強化していくことが重要。

歳をとった犬が「頑固」と呼ばれるのは、
これまでに経験した強化の歴史が行動の優先順位に反映されていて、
ちょっとした強化では順位が変わりにくくなっている、
ということも理由のひとつに考えてよいのではないだろうか。

もちろん新しい強化の方が価値が高い可能性はある。
老犬だから新しい行動を覚えないというわけではない。
で、しっかり強化し続けることが大事なわけである。

しっかり良い行動の優先順位を上げてください。

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飼主の外出に大騒ぎする

これまでいろいろな犬の問題行動にかかわってきたが、
どうもうまくいかなくて試行錯誤が続くことも多い。
もちろんそれなりにうまくいくことも多いのだが、
この問題にはこれ!といった対処法がないものがいくつかある。

そんな問題のひとつが、飼主の外出時に大騒ぎする犬。
特に咬みつくなどの攻撃行動に発展している場合がそれだ。
外出しようと鍵や財布、携帯電話を手に持つと騒ぎはじめる。
この時の「理由」によって対処法も分けて考えないといけない。

1.愛着がもととなる分離不安
2.資源(飼主)の消失への怒り
3.境界線の出入りのコントロール

などなど。しかし、これが混ざっている場合がほとんどだと思う。

これまでの基本的な対処法は

分離不安には、
・外出時と在宅時のギャップを小さくする
 (外出特に帰宅時に落ち着くまで待つ)
・外出のサインになる刺激の連鎖を断ち切る
 (鍵を持ってトイレに行ったり、コートを着てご飯食べるなど)
・外出のサインになる刺激を逆条件づけする
 (鍵を持つとフードが飛んでくる)
・自立心を育てる(ストーカー禁止=マテを教えるなど)
・要求にはいつでも応えられないことを伝える
 (抑制のきいた要求行動を教え、毎回は報われないことを教える)
・不安が大きい場合には薬の利用も考える
などが基本。

資源の消失には、
・飼主が部屋から出ることと「おいしい」と関連づける
・抑制をしっかりつける
・資源の管理と報酬を意識する(ただで与えない)
など。

境界線の出入り
・出入りのコントロール権は人にあることを伝える。
・人の出入りと「おいしい」を関連づける
・抑制をしかっかりつける
など。

共通項目として
・騒いでいる時にご褒美を与えない
 (愛着は飼主自身、資源は飼主自身と食べ物、境界線は食べ物)
・攻撃行動を出させない管理(リードでつなぐ、居場所を限定する)
・抑制をつける
・叱るなどは葛藤のもとになるので禁止
だろうか。

問題の原因は先ほども書いたように混ざっていることが多い。
なのでいずれの問題でも飼主が離れることの逆条件づけを行う。
具体的には

①飼主が離れるとフード
②飼主が離れるときに騒がなければフード(飼主が撫でる)

を脱感作を併用して行うことが多い。


以前からいろいろと試してみて、
効果がある程度期待できるようになるにはもうひとつ要素が必要だ。
それは内的報酬が外的報酬に切り替わってから
オペラント条件づけに持っていくことを意識すること。

つまり①飼主が離れるときにフードを与えるのだが
この段階をしっかりと繰り返すこと。
内的報酬が外的なものに変わるまでどれだけ時間がかかるかは
犬や上記の他の練習をどのくらいできているかによっても異なる。
通常数か月かかると思う。

その段階が終了してから次の段階②に進む。
飼主が離れるを脱感作を利用して2,30回繰り返すと
離れるときに反応しなくなるのでその時にのみフードを与えるなど。

時間がかかるのだが、今のところ一番好成績。

要求吠えに応えてみる?

犬が飼主に意思表示をするときに、犬の小さなサインを読み取り、
それにたまに応えることをススメしている。
その小さなサインを「要望」と呼んでいる。

吠えたりひっかいたりなどの強い要求行動は無視をし、
オスワリやフセ、アイコンタクトなど抑制のきいた「要求」や
先ほどの「要望」にはたまに応える。

しかし「犬初心者」の方には「要望」を読み取るのが難しいようで、
「要求」に応えてしまい、しかも中途半端に無視などすると
消去バーストも相まってひどい状態になることもある。

で、結局「犬初心者」の方には無視をしてもらうことが多いが、
犬の要求にしっかり応える期間を作る方法は以前に
小声の会話」でご紹介した。

「要求」を無視することはコミュニケーションを拒否している。
「あなたの言っていることは聞こえません!」と伝えているのだから。
しかし、本来犬とはコミュニケーションをとりたい。
大声(吠え)は「お行儀が悪い」ので応えないのだと伝えたいのだ。

言うことをすべて聞けばよいではないか、と言う方もいらっしゃる。
それで問題のない犬も確かに存在する。
しかし、それで「わがまま」な行動が増え(「勘違い」と呼んでいる)、
思い通りにならないと咬むという輩がでくる。


話は変わるが、
先日、友人の犬がクレートで要求えをしたのだが、
その友人が犬を振り向きもせず「ハイハイ」と返事をしていた。
犬は2,3度吠えて諦めたようで静かになった。
友人に聞くと無意識に反応していたようで記憶になかったようだが、
面白いので少し考えてみた。

要求吠えに返事をするのだから、好子出現となり行動が増える。
これは「正の強化」。
しかし、この時に犬に得られるフィードバックは「声(返事)」だけ。
犬にとって欲しいのは返事ではなくて別の「行動」だろう。

顔を向ける、近くに来る、欲しいものをくれる…などの行動だが、
求めているものは得られない。
これを「ご褒美違い」と呼んでいる。

例えば
「お小遣いちょーだい!」と言う子どもの頭をなでるようなものか。

この反応を徹底すると当初「好子」として働いていた「声」は
「求めている好子が出現しない合図」
=NRM(ノーリウォードマーカー)として働くのではないだろうか。

そうすれば「聞こえているけどそれは間違い」を伝えるのに
犬の要望を読み取る技術は不要になるのではないだろうか。


これまでもご褒美違いの利用は試してみたが、
なかなか思うような成果は得られていなかった。

クラス中にフードへの要求吠えをしたらガサガサ撫でてあげるのだが、
やはりタイムアウトの方が理解しやすいようだ。

ご褒美違いとはいえ、犬の方を見ることになる。
関心を向けるのは「好子」としての働きが大きいのだろう。
いろんな認知実験からも、人の顔の向きや目で見ている方向や物を
犬は認識して反応していることがわかっている。

最近出版された『犬から見た世界』(アレクサンドラ・ホロウィッツ著 白楊社)でも「他者の注意を操作する」という項(P184)で取り上げられている。

お客さんの犬で実験はできないので、
仲間内で試してくれる仔犬を探している。
だれかやってみませんか?
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