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般化と弁別

家の中で「オスワリ」と言えば座るのに玄関ではできない。
人が座っているときは「フセ」で伏せるのに立っているとできない…
ということがよく起こる。

できない理由はいくつかある。
ひとつは、しっかりと「理解」していない。
ひとつは、環境の刺激が強すぎる。
ひとつが、しっかりと「定着」していない。

今回はこの定着について考える。
犬は学習の過程でいろんな「条件」を関連づける。
その「条件」が変わると「別のパターンだ!」と解釈してしまう。

文頭の例では、
前者は「場所」が違い、後者は「人の姿勢」が違うのだ。
このように「違い」を見分ける能力を「弁別」と呼ぶ。

その反対に「共通」の部分を見つけ出す能力が「般化」。
今から100年ほど前にアメリカでJ.B.ワトソン博士が
「アルバート坊やの実験」を行った。

生後11ヶ月乳児(アルバート坊や)が白いネズミを怖がらないことを
確認した後、白ネズミを見せてから大きな音で乳児を驚かせる。
何度か繰り返すと白ネズミを見ると恐れるようになり、
それどころか、それまで怖くなかった白いウサギや犬、
白い毛のついたお面、脱脂綿までも恐れるようになった。
(こんな酷い実験は現代では不可能!)
「白い」という共通部分を見つけ出し「怖い音」とを関連づけたのだ。

本来、犬は「弁別」が得意で「般化」が苦手だ。
しかし、「恐怖」に関しては「般化」がおきやすいことが知られている。
生存に役立つため、その特徴を持つ犬の生存率が高まったのだろう。

なので、
犬に何かを教える時にはいろんな場所で、いろんな姿勢で、と
環境を変えて練習することが大事になる。
また、怖がるものには慣らし続けないと似たものを怖がり、
ますます怖がりになることがよくある。

恐怖をなくしていく方法はさまざまだが、
怖いものは「般化」するのでどんどん増えていき、
慣らしたいものは「弁別」によって細かく分類するので
とても面倒だ。(でも犬にとってはそんなこと言ってられない。)

できれば安心できる環境で、
怖がりでない父犬と穏やかな気質の母犬から生まれ、
しっかりと社会化エクササイズを行った仔犬と
犬にとって善良な人や犬と一緒に、快適な環境の中で暮らせると
多くの問題行動が起こらないのではないだろうか。

こう並べると現状では結構ハードルが高い。
これが「普通」の世の中になるように頑張らねば…。

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老犬と暮らす(3)

冬らしい日が続き、寒さが厳しくなってきた。
犬の季節到来!まあ、わが家の老犬にはストーブの季節だけれど。

外でいる時間が長い犬は、
体温を保つために摂取カロリーを増やしてあげたい。
昼間、庭で過ごすことが多かった若い頃のわが家の犬たち。
冬の食事量は真夏の2割増しだった。
最近は体形を見ながら痩せないように調節している。

秋田犬のはなさんも元気にくらしているが、
前回ブログのその後をご報告する。

あの後、はなさんは歩く距離が少しずつ落ちてきて、
後ろ脚にも少し力が入りにくそうな状態になった。
年齢的なこともあるので、それはそれで自然なことだろうと思う。

徐々に歩く距離が減り、自力で歩くことも難しくなるのだろうと
飼主さんともお話ししていた。

それに合わせて、飼主さんは一緒に散歩に出ることも少し控えてみた。
すると寒くなるにつけ、歩くことへの欲求が増したかのように、
立たせると庭をうろうろする時間が増えてきたそうだ。

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僕は雨でなければ週に1回程度お邪魔して車いすリヤカーで散歩の後、
飼主さんとおしゃべりして帰るのだが、
少し前までヨレヨレ歩いていたのが先日は足をハの時に広げて
しっかり、かつリズミカルに歩くようになっていた。
そしてその日、いつもの散歩コースで最長距離を歩いた。

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本当に驚かされる。
寒くなってからどんどん元気になってくるはなさんを見ていると、
(秋田)犬って寒さに強いんだな、と単純に思う。
祖先はどんな暮らしをしていたのだろうか?

はなさんのお手伝いをさせていただいて、
老犬と暮らすことを改めて意識させられる。
わが家の犬たちも困ったことはそれ程ないとはいえ、
行動や反応はかなり変わってきた。

まず、耳が悪くなったこと。
(聞こえないふりか?と疑いたくなるようなこともあるが…)
9歳になった頃から雷が怖くなり、
雨が降るだけで不安行動が出ていたシェパードのキーパが
雷を怖がらなくなったのも、対応を変えたことが原因ではなく
耳が悪くなったせい(おかげ?)かもしれない。

また、匂いを嗅ぐ力も落ちていると思う。
近くに落ちたご褒美を見つけにくくなったり、
若い犬と一緒に散歩に行くと実感するのだが
1か所当たりの匂いを嗅ぐ時間が長くなった。
おかげで若い犬と僕は歩く時間よりもナワックを待つ時間が多くなる。
(若い犬には忍耐を覚えるのに良いかもしれないが
僕のダイエットには役立たない散歩だ。)

トイレ(基本的に庭でする)も我慢できなくなり、
家族に便意を訴える間もなく居間で排便!ってことも起こる。
トイレのおおよその時間は決まっているが多少不規則になり、
便意をもよおすと掃出し窓のところに行って我々を見るのだが
それすらなくなり、いきなり背中を丸める感じだ。

玄関の階段の上り下りがゆっくりなのはもちろんだが、
何かにつまづいたり、足ふき時にバランスを崩すこともある。

でも、全く変わらないのが食欲。
わが家の犬が食べなくなったら要注意かも。

学習の手順

犬が新しい行動を学ぶときに一定のルールがあるだろうか?
今回は犬に何かを教える際の手順について考えてみる。

基本は自発行動。その結果、
好子が現れるか嫌子が消失して強化が起こるか、
嫌子が現れるか好子が消失して弱化が起こるように
環境を変化させる。

通常は新しい行動を教えることが多いので
好子を提示すると考えてみる。

自発行動を起こすための方法はさまざま。
たまたまの行動をマークしたり、誘導を繰り返したり、
シェイピイングで行動を引き出したり、
必要ならプロンプトを用いてみる・・・。

目標の行動を自発するようになったら、
合図(弁別刺激)をつける。
行動の直前に合図を提示し、反応したらマークして褒める。

合図と行動の関連づけがうまくいったら、
「合図の意識化」(弁別訓練)を行う。練習は至って簡単。
合図のある時にその行動をすれば報われるが、
合図がないのにその行動をしても報われないという弁別を行う。

ルールを理解すると犬は合図を心待ちにし、
合図が出ると喜んでその行動をするようになる。
もちろんその行動をする価値(動機)があればの話だけれど・・。

ここまでを「理解」と呼んでいる。
簡単にまとめると・・

誘導~シェイピング → 自発行動 → 合図づけ → 合図の意識化

となる。


次にマッスルメモリーと呼んでいる段階と般化の段階。

マッスルメモリーは合図に反射的(?)無意識(?)に反応すること。
般化のことを、僕のクラスでは「かきくけこ」で表している。

「か」は環境   異なる環境で同じ行動ができるようにする。
「き」は距離   距離が伸びても同じ行動ができるようにする。
「け」は継続時間 時間が延びても同じ行動ができるようにする。
「こ」はご褒美  報酬が毎回なくても同じ行動ができるようにする。
以上を可能にするのは「く」の繰り返しのみ!

このマッスルメモリーと般化の段階を「定着」と呼んでいる。
つまり、学習を「理解」と「定着」の2段階に分けている。

テリー・ライアン氏(だったかな~?)がセミナーで教えてくれた
情報をもとに段階を分けて考えたのだと思うが記憶は定かでない。

キチンと知りたい人は
パメラ・リード著「エクセレレーティッド・ラーニング」
(レッドハート)の序章を見て欲しい。

マリリン・フェンダー博士の論文からの借用らしいが、
学習の4段階として

1.習得(行動を身につける)
2.熟練(行動を無意識に行う)
3.般化(行動をさまざまな状況に応用する)
4.維持(行動を確実にする)

があるとしている。

この本は、とっても素晴らしい本で、
短大でも教科書として使用したいと思っている。

犬育てクラスでは
この手順通りに犬が学習できるようにカリキュラムを考えている。
とはいえ、クラスでの応用はなかなかうまくいかないのだが、
具体的にどう教えているかについてもここで書いてみて、
改良のために再考してみようと思う。

すぐに忘れるので書き記しておきたいことは山ほどあるが、
こんなに間口を広げて大丈夫かな…とも思う。
まあ、広く浅く無理せずぼちぼち書いてみよう。


個人攻撃の罠

人それぞれ性格があり、特徴的な行動・思考パターンがあると思うが、
自分の特徴で気に入らない部分は誰しも持っていると思う。
その時に、自分を責めるのではなく、
特徴を理解しておくとよいのではないかと思う。

自分も含めてよく思うのは
人間ってほんとに一方的だなということ。

パピーの留守番時におやつをキチキチに詰め込んだコングを与えるが
帰ってくるまで食べていない。
しようがないので「どうして食べないの?」とか言いながら、
ほじくり出して与えて思う。「この子はコングがダメなのね。」
・・・最初は、簡単に取れるようにしてあげないと食べられないのに。

トイレシーツが汚れても替えることなくトイレ以外での排泄を叱る。
「どうしてわからないんだ!」
・・・清潔好きだから、そして仔犬(赤ちゃん)だから。

若い犬にガムも与えず散歩にも連れて行かず、
大事な家具をかじると嘆いてみる。
「こんなイタズラ好きはいないぞ!ばか!」
・・・エネルギーが余り、ストレスが溜まっているのに。

人間ってなんて酷いんだ!
あの人はなんて酷い飼主なんだ!
と言ったところで何も変わらない。

なぜあの人は「酷い人」なのか?あんな酷いことができるのだから。
なぜあんな酷いことができるの?それは「酷い人」だから。
こういうのを循環論というそうだ。

問題があるときに個人のせいにしてレッテルを貼り攻撃する。
これを個人攻撃の罠という。
「彼には責任感がない」「あいつはルーズだから」「彼女は頑固者だ」
などがそう。これでは問題は解決しない。

問題の行動をすることで何か強化が起こっているはずだ。
その強化・弱化の仕組みを変えないと問題は解決しない。
無知から問題が起こっているのなら情報を得る機会を作り、
仕組みに問題があるならシステムを変えればよい。

他人の行動を変えるのは難しい。変えられるのは自分の行動のみ。
そう考えると自らの行動を変えることで環境を変えるしかない。

この個人攻撃の罠はとっても強力で、
わかっちゃいるのについ「あの人は・・」と思うことが多い。
冒頭の「人間って一方的」というものレッテル貼りのひとつだろう。
これも僕の思考パターンの特徴だと自覚して、
個人攻撃の罠にはまっていないかを常に意識していたい。

そうすると周りの人や犬たちや環境を見る目が変わってくると思う。
良い行動に目を向けて関心を示し、
困った行動はなぜその行動が起こっているのか環境をチェックする。

そうすれば相手は自分が受け入れられていることを感じると思う。
自分を否定する人との共同作業はつらい。
とはいえ僕にとって一番難しいのは、わが家の重鎮への対応。
なんてむずかしいのだろう。
人間って矛盾を抱えながら生きる動物なのだな。


小声の会話(1)

犬が飼主に何か要求をした時は「無視」することが薦められている。
物事の主導権が犬に行くことを恐れての事だが、
「わがまま」予防のためとはいえ、
それでは犬との信頼関係に溝をつくってしまうことになる。

犬がいくら飼主に話かけて意志を伝えようとしても
飼主は知らぬ存ぜぬで無視する。
犬の要求は消去バーストが働いてより大声になる。
その内「こりゃダメだ」と犬が諦める。

信頼関係についてはまたの機会に考えるとして、
犬の気持ちを無視することが
犬とのコミュニケーションに役立つはずもない。

昔はこんな簡単なことがわからずに犬を無視していた。
当時、犬の行動を見ていて、犬の意志でそうしているのか、
僕の意志に従ってのことなのか分からないことがよくあった。
「お互いの気持ち」ではなく飼主側の気持ちが優先されていたのだ。
疑問には思っていたが「時代の流れ」とは恐ろしいものだ。

ところが数年前に我々の仲間がこれに「?」と感じて
面白いことを考え出した。
犬の言うことをすべて聞こうというのだ。

お互いの意思を認め合い、信頼関係を結ぶ期間限定の時期を
犬とつくる。(わがままキャンペーン!)
そして信頼関係が育まれた上で犬の「要求」を断る。
「あなたの言うことはわかったけど、今忙しいから後でね。」
そうすると犬は待ってくれる、というのだ。

とっても面白いし、魅力的。
ただ、コツがあって、
犬の意志はできるだけ初期の小さなサインを読み取ること。
大きな要求行動は後で消去したいのだが、
消去バーストで大きくなったサインの消去は、
犬にも人にも負担が大きい。

この「初期のサイン」を「犬初心者」が読み取ることは難しい。
だが、「お行儀のよい行動」とそうでないことは誰もがわかるし、
それが「家庭のルール」になっていくので、
最近は「お行儀」をキーワードにしている。

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「お行儀いい?」

犬のボディーサインを読むのは年季がいるので、
ぼちぼちコミュニケーションを楽しんで
信頼関係を徐々により深いものにしていきたい。
(ちなみにわが家の老犬たちは現在しっかり意思表示しています。)

次の機会に、人から犬に「小声で意志を伝える」ことを考えたい。

強化と弱化

僕たちP.I.G.(インストラクター仲間の集まり)のモットーは
「リードの両端の幸せ」。
そのために犬と飼主さんの「お互いの気持ちを尊重する」ような
信頼関係づくりのお手伝いをしている。

以前に書いた犬のわがまま状態は、犬にも飼主にもストレスのもと。
バランスよく「お互いの気持ち」を大事にしたい。

信頼関係づくりには、
飼主が犬の気持ちを読み取ることが重要だが、
今回は犬に飼主の気持ちをどう伝えるかを考えてみる。
それには犬がどう学ぶかを理解する必要がある。

犬は試行錯誤の結果で学ぶ。オペラント条件づけと呼ばれている。
仕組みは簡単。
何かやってみて犬にとって良いことが起こればその行動を繰り返し、
(自発行動の結果、好子出現か嫌子消失により行動の発生頻度が増え)
悪いことが起こればその行動をしなくなる、
(自発行動の結果、嫌子出現か好子消失により行動の発生頻度が減る)
ということ。

行動の発生頻度が増えることを「強化」、減ることを「弱化」と呼ぶ。
(「弱化」は英語では「罰」を表す言葉になるのだが、次に述べる
「正」=(陽性)、負=(陰性)」と共に混乱のもとなので
「行動分析学入門」(産業図書)にならって「弱化」とする。)

好子にしろ嫌子にしろ「出現」するのは「+」なので「正」と言い、
「消失」するのは「-」なので「負」と言う。

犬にとって行動の結果、
好きなものが出てきてその行動の発生頻度が増えることを「正の強化」
嫌なものが無くなってその行動の発生頻度が増えることを「負の強化」
好きなものが無くなってその行動の発生頻度が減ることを「負の弱化」
逆に嫌なものが出てきてその行動の発生頻度が減ることを「正の弱化」
という。

僕たちは犬の学習に「好きなもの」を利用する。
「正の強化」と「負の弱化」だ。
効率的なのだが「弱化」にはデメリットもあるので要注意。
(わが家の子育ての面白い?話があるので近いうちにご紹介します。)
「嫌なもの」はさらにデメリットが多いし、人道的でないので使わない。

犬の意志表示がどんな行動であれ、
その結果、犬の願いが叶えばその行動は増える。

犬の人への意志表示は人にとって「おりこう」な行動に限定し、
それを犬との間での共有ルールにすれば「おりこうな犬」になる。
逆に、迷惑な行動(吠えるや飛びつく)が報われれば
いわゆる「お行儀が悪い犬」になる。

なので、「おりこう」な行動に応え、
「行儀が悪い」行動は報われなければよい。

犬の行動で、最近よく吠えるようになってきた、とか
以前はよくしていたのに最近はしなくなったと感じる時、

前者は「強化」が起こっているので、吠えた結果、犬にとって
「好きなことが出てくる」か「嫌なことがなくなっている」はずだ。

後者は「弱化」が起こっているので、その結果、犬にとって
「嫌なことが出てくる」か「好きなことがなくなっている」はず。

僕たちインストラクターはそんなことを考えながら
飼主さんのお話を聞いている。

ちなみに「好子」が必ずしも「好きなもの(こと)」ではないことが
もうひとつの「行動分析学入門」(集英社新書)に書かれている。
ゴキブリホイホイの話だ。

ゴキブリホイホイを仕掛けたときの「好子」は、
中にゴキブリが捕まっていることだが、
多くの人にとってゴキブリは「好きなもの」ではない。

なるほど。

散歩(2) 散歩が怖い

犬にとって散歩での匂い嗅ぎはとっても大事な日課。

そんなことは誰でも知っている…と思うのだが、
意外と匂い嗅ぎをさせなかったり、
嫌がるから散歩はいかないという人が少なからずいる。

犬のストレス解消に役立つのは、
匂い嗅ぎ、かじる、ぐっすり眠る。
なので、お散歩ではしっかり匂い嗅ぎをさせてあげたい。

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実際に散歩を嫌がる犬はいるし、無理やり連れて行くのは賛成しない。
なぜ散歩を嫌がるのかを考えるに、
「恐怖」が関係していることが多いように思う。
怖いものは少しでも減らしてあげたい。

散歩に行くには、犬に「怖くない!大丈夫だ!」
と思ってもらう必要がある。

恐怖には、社会性のなさから恐怖を感じる場合と、
嫌な経験によるものがあるだろう。
いずれにせよ時間はかかるが徐々に慣らしてあげたい。
何度も言うが無理やりは逆効果だし、攻撃行動につながることさえある。

治し方には様々な方法があるが、おススメの慣らし方は至って簡単。
散歩に行く前に(犬に内緒で)
家を出たところに美味しいおやつを置いておく。
飼主は素知らぬ顔で外に出ると犬が自らおやつを発見するようにする。
散歩はそこで終了し、楽しかったねと帰ってくる。

自分で見つけたものは記憶に残りやすいらしい。
数回繰り返すとそこまでは喜んで行くようになる。
あとは同様の方法で家からの距離を伸ばしていく。

もしかすると、犬にとっては美味しいものを「食べる」ことより、
美味しいものを「発見」するほうが嬉しいのかもしれない。

美味しいものの発見が恐怖を上回れば徐々に散歩の量を増やし、
その日、一番遠くへ到達したところで美味しいフードをあげると
散歩への印象はますますよくなると思う。

仔犬のころの社会化不足が原因の場合や、
強い恐怖を経験した犬、例えば散歩中に他犬に咬まれたとか、
大型犬に吠えられたなどの場合は
地道に対象に慣らしていくしかない。

馴らしたい刺激を徐々に大きくしていく系統的脱感作や、
怖い対象の印象を変えていく拮抗条件づけなどの手法が有効だが、
それについては後日詳しくお話しする。

ただ、無理やり連れて行って「平気だ」と思わせようという手法
フラtッディング(洪水療法)は、
刺激に、より過敏に反応(鋭敏化)するようになるなどリスクが高い。
おススメの方法ではないが、やるなら専門家の協力の下で行いたい。

「犬育て」をライセンス制に

人はなぜ犬を飼うのだろうか?
人はそれぞれ犬との暮らしを思い描き、
犬たちはその思いに応えてくれるだろう。

癒し、子どもの情操教育に、犬とスポーツを楽しむ、
アニマルセラピーのため、コンパニオンアニマルとして、
家族の一員・・・などなど。

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以前、インドネシアの犬について書いたことがある。
その犬は鎖につながれることなく自由にうろうろし、
自分の意志で人間と暮らしていた。

食べ物は残飯をもらい、寝る場所も確保され、敷地に近づく人に吠え、
恋人(犬)がいて、仲間がいた。

その地域では「犬」は名前をつけられたペットであり、
かつ、市場では「犬」の丸焼きが食べ物として売られていた。

「犬狩り」と呼ばれている人がナタをもって犬連れでうろついていて、
ペットの犬も気をつけないと捕まえられてしまうとのことだった。

その犬が隣の鶏を食べて鎖につながれた話を書いたのだが、
その時は飼主が鶏代を弁償して「罪」を問われなかった。
その後、また自由を得たその犬は再度隣の鶏を襲い、
逆に隣人に食べられてしまったそうだ。
人間社会のタブーを犯した犬は生存できないのである。

人間社会で人に利用されるために飼われている日本の犬にとって
「タブー」はなんだろうか?

「犬を殺すのは誰か?」(太田匡彦著 朝日新聞出版)という本がある。
日本の保健所で殺処分される犬の持ち込み理由が載っている。
犬を殺す理由はなんだろうか?

1位は「犬の病気・怪我・高齢」だ。
2位が「飼主の病気・死亡」、3位が「転居」

なんだか頭が痛くなってくる。
わが国での「犬のタブー」は他人の家の鶏を食べることではなく、
歳をとること、病気になってしまうことなのか・・。
高齢者や転勤の多い人が犬を飼うことも飼う前に考えないといけない。

犬の行動に原因があるのは
4位の「吠え」と5位の「咬む」。
犬の気持ちを読み取り、学習の原理を飼主が学べば
多くの場合治ってしまう問題だ。
もちろん予防が第一で、そうすれば問題は起こらない。

リストには、子どもができた、飽きた、離婚なども・・。

やはり犬を飼うのはライセンス制にする必要があると真剣に思う。

プレマックの原理

「犬育て」で必要な学問は何かと考えてみる。

ひとつは「動物行動学」
日本動物行動学会によると、
行動生態学、生理学、動物社会学、心理学、遺伝学、進化などを含む。

生態学は犬の生態や本能について、
観察を通してなぜその行動をしているのかを考える。
心理学は学習で、進化や遺伝は社会生物学でも重要な要素だ。

学習は動物行動学にも含まれるのだが、
その理解には行動分析学が重要。
インストラクターにとっては飼主さんへの対応にも役立つ。
なぜその行動をし、どうすれば行動を変えられるかを考える学問。

以前両者の間では、「環境」か「遺伝」かで論争があったようだが、
遺伝学や神経生理学の発達によって両者が密接に関係している、
ということがわかり現在にいたっているそうだ。
 
もちろん僕は学者でないので、詳しくは専門書を見ていただくとして、
僕の理解する範囲内で、学習の「あんなこんな」を
気のむくままに書いてみる。


初回は「プレマックの原理」で心理学者プレマック博士が考えた。
「発生頻度の高い行動は、発生頻度の低い行動に対する報酬となる」
ということで、行動が報酬になるという点が面白い。

簡単に言うと、元気に走り回るのが大好きな犬に
「走らせて(高い発生率)あげるからフセ(低い発生率)しなさい」
ということ。

子どもに「遊びの前に勉強させる」とか
犬に「サークルから出すときにはフセをさせる」という事も同じ。

クラスでの僕のお気に入りは、散歩で引っ張る犬に
「匂いを嗅ぎに行きたければ飼主のところに戻ってきなさい」
と教え、そのご褒美として匂いを嗅がせること。

繰り返すと呼ばなくても戻るようになり、
リードが張ると自発的に飼主のもとに戻るようになる。
これをさらに繰り返すと飼主について歩くことを伝えられる。
犬とのコミュニケーションはほんとうに面白い。

犬が望む行動を、こちらがさせたい行動の「ご褒美」として
使うというお話でした。

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