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勉強会報告9の2

9月の勉強会報告の続き。
まずは神戸で開催されたカンファレンスでの発表報告。
カンファレンスでは時間の制約から詳しいお話ができなかったので、
勉強会では質問や感想を挟みながらのプレゼンテーションとなった。

◆D.I.N.G.O.カンファレンス報告
9月15,16日に神戸で開催されたカンファレンスのうち、
勉強会参加者の発表者によるプレゼンテーションを再現。
というより、より細かくデータを説明していただき、
とっても面白く興味深いものだった。
今回は25分間のプレゼンテーションだったので、
来年は是非、50分間の発表をお願いしたいものだ。

題目は「ネガティブ犬種図鑑?!
-コミュニケーション・チェックを読む-」

最新版のコミュニケーションチェック255頭の集計結果報告。
サンプル数が10を超える犬種を対象にしている。
(今後データ量は増えると思うので楽しみ。)

三重県で犬育てクラスに参加する犬種は、
トイプードル(17%)が最も多く、次いでミックス(15%)、
柴犬(13%)、チワワ(7%)、ラブラドール(5%)、
Mダックス&ボーダーコリー(4%)と続く。

1歳までが4割、2歳までだと6割に達する。
(パピーは基本的にコミュニケーションチェックを受けていない。)

・ストレスを感じやすい犬は1位がMダックス、
・社会化不足はチワワ(やはり!)、
・飼主への依存度が高いのはMダックス
(それがストレスにつながっているのかも)、
・抑制が効きにくいのは柴犬(これもやはり!)、
・縄張りを守りやすいのはチワワ(社会不足の順位と同じ!)、
・物を守りやすいのもチワワ。
・わがままになりやすいのはMダックスとボーダーコリーで
 その犬種のほぼ半数。
・咬みやすいのがMダックス。

なんとMダックスが8項目中4種目で金メダル?。

逆に、
・ストレスを感じにくい犬種は、1位がラブラドール(納得)、
・社会性があるのがボーダーコリー(若いうちはいいのか?)、
・飼主への愛着が低いのが柴犬(これも納得)、
・抑制が効きやすいのがMダックス(これは意外!)、
・縄張りを守りにくいのはボーダー
(本当?ケージに閉じ込められているのか?)、
・物を守りにくいのはボーダーコリー(ホントにホント?)、
・わがままになりにくいのはチワワ(信じられない!)、
・咬みにくい犬種はトイプードル(ウソでしょ?)

平均的に飼いやすい(問題が起きにくい)犬種は、
柴犬!ラブラドール、ボーダーコリーという結果。
印象とデータはこんなにも異なるのか…と思った次第。

◆こんなセミナー聞いてきたは、ピアシルバーニ特集
「攻撃性のある犬のリハビリ
対犬に対して攻撃行動のある犬たちを集めてのリハビリクラス。
ステップは3段階で各々ゴールを定めたトレーニングクラスの紹介。

当時、ピアシルバーニ氏のもとには週1000頭の犬たちが
クラスを受けに来ていたそうだ。
その中から攻撃的な犬たちを集めて開催していたのがこのクラス。
7年間で547頭の犬たちが受講したという。

ちなみにレベル1(第1段階のクラス)のゴールは、
A.リードをつけて犬の脇を落ち着いて歩く
B.他の犬に出会った時、リラックスして落ち着いていられる
C.犬が確実にキューに反応する
D.飼主のタイミングと知識が向上する
E.犬が指示を求め飼主を見る
かなり中身の濃いクラス。

「パピートレーニングがうまくいかない?/小型犬のためのクラス」
第1部がパピーについて。
パピークラスの問題点がどこにあるかを考察する。
何を教えるべきか、要点を洗い出し解説する。

第2部は小型犬クラス開催のススメと
その際の注意事項をまとめたもの。
小型犬でなくても必要なことが多くカリキュラム作りに役立ちそう。

今回は以上2つ。
次回は「遊びの科学」「シェルターワーク」
「コーチングスキル」を予定。

◆JAPDTカンファレンス報告
杉山尚子氏、山本央子氏のセミナー報告。
杉山氏は、行動分析学の基本的な考え方。
当日は実際に行動を分析してみるワークショップ的な時間も
設けられたとのこと。

山本氏は、行動分析学を用いて現場で起こる出来事を分析し、
基本的な概念と注意点を解説。
報告をお聞きして、論理的で有意義なお話だったのだなと思った。

行動を分析する際は、行動を定量的に扱い、
頻度や強度、持続時間を計測する。
行動の肩書(バカだから…など)、
見聞(犬を何頭もしだてた人が言うには…)、
過去の出来事(虐待されていたから…)、
にとらわれ過ぎないで行動の機能分析
(いつ?どこで?何に対して?いつまで?対処)を行うこと。

◆問題解決シート
以前に完成した「排泄」につづき「吠える」が完成間近!
「吠える」の解決シートを皆さんにチェックしていただいた。
完成したらまた紹介する。

◆応用行動分析
『はじめての応用行動分析』(二瓶社)から
第8章「不適切な行動を減少させる結果操作」の手続きの階層を紹介。

レベルⅠ:
a.低頻度行動の分化強化 
b.他行動の分化強化 
c.対立行動の分化強化
d.代替行動の分化強化

レベルⅡ:
消去

レベルⅢ:
a.レスポンス(反応)コスト 
b. タイムアウト

レベルⅣ:
a.無条件性嫌悪刺激
b.条件性嫌悪刺激
c.過剰反応

以上についてザックリ紹介。
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勉強会報告9の1

勉強会の報告は5月分までご紹介したが、
6、7、8月がなかなかまとめられないので最新版をご報告する。

9月の勉強会の報告(前半)

◆まず最初に、9月名古屋での金子真弓さんセミナーの報告
行動原則とクリアーなコミュニケーションについてのお話。
「指導者」と「飼主」との間のコミュニケーション方法について
カウンセリング技術の紹介。

◆次にケーススタディ
特にコミュニケーションチェックの数字の読み方について。

ポメ、2歳、♂、去勢済み   
父 5・2‐15・4・9・3‐24・04・43‐3 遠吠え
母 5・2‐11・8・7・10‐33・22・12‐2

少し長くなるが、まとめてみる。
点数は同じ犬に対する「父」と「母」それぞれによるもの。
左から

ストレス・ストレス管理、社会化不足・信頼・愛着・行動抑制、
テリトリー・物・飼主自身という資源に対する
犬の欲求度合いと飼主の管理度合、咬みの抑制

となっている。
僕自身はこの犬との接触はないが、数字からわかる情報を記す。

□管理
ストレスレベルがマックスなので、
落ち着いた、とにかく吠えない生活をさせる、
匂い嗅ぎやトレーニングで疲れさせる、
静かにゆっくり寝る時間を昼間、夜間と確保する、
ことなどが最重要。

まずストレスマネジメントの点数を上げること。
ただ、散歩については社会性がないので配慮が必要かもしれない。
刺激に吠えまくっているようではまずいので、
静かに散歩ができるところまで車で移動するなど。

日常的に移動できるスペースを十分にとり、
穏やかに暮らせるように工夫する。
縄張りを守る気持ちが強いので、窓に目隠しをする(カーテン不可)、
玄関に飛び出させない等も必要。

犬の要求吠えに飼主が反応しないように。
無視すると一時的に吠えは酷くなるが、やがてなくなる。
(これは学習のひとつだが、問題を悪化させないために必要なので
管理に入れた。同様に関係づくりにも入れている。)

□学習
社会性をつける機会をしっかりつくる必要があるが、
初めて会うインストラクターにどれくらいの時間で慣れたかを目安に、
他人に慣らすエクササイズを続ける。

食欲があるようなら一人でも多くの人に、
超スペシャルなおやつを与えてもらう。
もちろん健康を損なわない程度に。

同様に外の環境でも楽しい美味しいことが起こると経験させる。
時間がかかるがじっくりしっかり繰り返すことをお勧めする。
去勢により食欲が増すので他人や環境に馴れやすくなる。
が、太らないような管理は必要。

外で音が鳴ったり、インターホン、電話の呼び出し音などにたいしても
拮抗条件づけが必要かもしれない。
その音源と離れた位置で美味しいオヤツを与える。

普段から頭を使うエクササイズが必須。
クリッカーエクササイズなどがおススメだが、
簡単な遊びでよいので1日20分ほど食べ物を使った
レッスンタイムを作る。

ご褒美は基本ドッグフードで行ない、残りを食事にしても良い。
エクササイズには必ず「マテ」を入れる。
「マット」や「ハウス」もとても良い。
犬が自ら進んでそこに行くように、
そこで犬がくつろいで待つように教える。

ピンポンハウスができるようになれば最高。
(インターホンの音をハウスの合図にする。とても効果的。)

□関係
ご主人の言うことの方をより聞くようだが、
ご主人は怖いのだろうか?
そうでなければ「飼主自身」という資源をさらに管理し、
報酬として与えていくようにすべき。

無理やり何かしているようならすべてやめてもらう。
いろんなことに少しずつ馴らしていく方がよいと思われる。

奥さんは甘やかし過ぎなのか、
犬にあまり関わりたくないのか分からないが、
いずれにせよ関係を見直す必要がある。
ストーカー度合が高いので甘やかし派なのかもしれない。

奥さんの接し方を変えていただかなくてはならないが、
犬が怒ることはしないこと。(多分、触れないかもしれない。)
拮抗条件づけで少しずつ手入れなど触る練習をすること。
(撫でることと手入れは犬にとって全く別ものです。)

お二人とも犬の要求行動は全て無視をしていただき、
「おりこう」な時のみ関心を向けるようにする。
上記「学習」のエクササイズをしっかりやっていただければ
かなり改善するはず。

一緒に寝ているのなら、クレートを枕元に置いて、
その中で寝かせるのも良いと思うが、 かならずしも必要ではない。
自立心をつけるような暮らしが必要だが、
不安が大きくなるような急な変化は逆効果。
少しずつ自信をつけさせること。

誰に対して咬んでいるのか、何をしているときなのかがわかれば、
より細かいアドバイスが可能。
(恐らく縄張り吠えをとめるとき、手入れをするとき、
物を守って(奥さんのみ)、気に入らないとき、などだろうか。)

犬との生活にとってどんな必要があったとしても、
咬ませない生活が必須。
(足拭きなどしなくても死にませんものね。
拭く代わりに濡れぞうきんの上におやつをまいて歩かせれば、
少しはきれいになるかもしれません!)

ケーススタディは以上。
これらの情報を基に飼主さんから聞き取りをすれば
さらに問題の核心に近づくことができる…かもしれない。


あまりご要望はないのだが、
「コミュニケーションチェック読み取りサービス」を
有料で行おうかと考えている。
近々、専用のHPを作ろうかと思う。
よかったらご利用いただきたい。

勉強会報告8の2

5月の勉強会報告の続き

◆引っ張り犬対策
わが家でお預かりのゴールデン(34.5キロ)のハンドリングを通して
引っ張り犬への対処法を考える。
リードは3mや5m、1.8mの利用を想定。

①すぐにできること
・リードが張ったら進まない(手を固定し手首を返す)
・ポンピングブレーキ(リードが長い場合、一度に止めると双方の
  負担が大きいため、止めては緩める…を繰り返し勢いを止める)
・振り返ったら褒める(名前と関連づけることも)
・人が止まったら止まる(フードで強化)
・呼び戻しの練習

②少しトレーニングが必要
・ヒールポジションを教える
・床にフードを投げてアイコンタクト(衝動を抑える練習)
・リードの張り具合を常に一定に(止めたい瞬間に止める準備)
・止めたら緩める(引っ張りっこにならない)

③トレーニングが必要
・ソフトリード(オイデの合図としてリードを“ソフト”に引く)
・一緒に歩く(行きたい所に行くには飼主の横について歩くことを
  犬が自発的に選ぶ)
・リードを張る動きの「出始め」を止める(人のトレーニング)

◆こんなセミナー聞いてきた「目次」
最近はセミナーが減った。特に海外からの講師によるものは。
これまで聞いてきたセミナーの内容を簡単に紹介することで
知識に厚みが出るかも…と始めた企画。
今回は目次のみ。

・2000.01 トゥーリッド・ルーガス  「カーミングシグナル」
・2002.07 スザンヌ・ヘッツ     「デルタ協会での事業」
・2002.11 イアン・ダンバー   「イヌの問題行動としつけ」
・2002.12 スザンヌ・クローサー  「アスレティックドッグ」
・2002.12 山崎恵子     「アニマルシェルターを考える」
・2003.07 サラ・ヒース 「犬社会の支配性・階級制について」
・2003.07 小田史子         「3つの箱と4つの法則」
・2003.07 ビリング・ハースト       「生食セミナー」
・2003.11 ワイン・ハンゾーセン         「行動学」
・2003.11 ドーン・イエイクス    「チューズトゥヒール」
・2004.  ピア・シルバーニ     「パピートレーニング」
・2004.04 パメラ・リード            「ASPCA」
・2004.07 ジーン・ドナルドソン  「イヌの行動と矯正方法」
               「最先端のドッグトレーニング」
             「イヌのコミュニケーションと感情」
・2004.10 行政獣医師           「RSPCAの紹介」
・2004.11 イアン・ダンバー「トレーニングテクニックの比較」
・2005.05 ピア・シルバーニ      「コーチングスキル」
・2005.06 ケン・マッコート        「難しい犬の…」
・2005.08 リエン・バーカー        「罰を科学する」
・2006.07 レイ・コピンジャー   「イヌの歴史・行動学…」
・2006.09 ジェニファー・メッセ     「パピークラスを…」
・2006.09 中島定彦        「犬の社会的知性を探る」
・2007.03 トゥーリッド・ルーガス  「カーミングシグナル」
                (ワークショップ&キャンプ)
・2007.10 ケン・マッコート      「ボディーシグナル」
                   「コンサルテーション」
                (ワークショップ&キャンプ)
・2007.11 アンジェラ・ストックデイル「ティーチングドッグ」
・2008.03 ボブ・ベイリー       「行動の科学と技術」
・2010.09 ピア・シルバーニ      「シェルターワーク」
                       「遊びの科学」
                「攻撃性のある犬のリハビリ」
・2011.06 クライブ・ウィン     「イヌの失われた歴史」
            「なぜイヌは我々をそれほど愛するか」
・2011.11 ケン・マッコート       「ウルフパーク」
                   「エバリュエーション」
                 「行動アセスメント・学習」
・2011.11 尾形庭子          「犬と猫の問題行動」
・2012.05 イアン・ダンバー 「学習理論、実践アプローチ…」
・2013.02.24 平井潤子  「被災地に学ぶペットの防災対策」

他にもあるのですが、現在、資料捜索中!


◆認知行動療法セミナー報告
奈良の薬物依存治療共同体施設(月1回ドッグプログラムを開催)で
認知行動療法のセミナーが開催されたので、簡単にご報告。

認知療法と行動療法に分けて解説がある。
行動療法は僕たちがよく知っている手法で、
4つの随伴性や消去バーストなどの解説と治療例の紹介がある。

認知治療については、人によって物事の認識のしかたに癖があり、
その癖を知り、他の受け取り方と調整することで
考え方を少し変えてみようというもの。

セミナーはとても面白く、
お客さんとのコミュニケーションに役立つのではないかと思い、
講師として勉強会にお招きしてのセミナー開催を検討中。
赤字は悲しいのでその際は皆さんふるってご参加ください。

今回は以上です。

勉強会報告8の1

勉強会のご報告。
4月はお休みで、5月分となる。

内容は。
・問題行動のケーススタディ4題
・クリッカーで時間を延ばす(映像)
・金魚のクリッカー(映像)
・本の紹介
・引っ張り犬のハンドリング
・こんなセミナー聞いてきた「目次」
・認知行動療法セミナー報告
など盛りだくさん。

ケーススタディ
①動くものを追うボーダーコリ-:
特に子どもに対する攻撃が見られることから要注意。
興奮して動くものを追う犬のリードを短く持ち止める飼主の脚を
転嫁行動で咬む。(出血あり?)

子どもに恐怖心がある場合は脱感作と拮抗条件づけが有効。
追う行動と攻撃行動は内的報酬が出ている可能性があるため、
経験させないことが重要。

気をそらせ追わないことをほめるが、地道な努力が必要。
並行してマテ、衝動を抑えるガマン練習、関係づくりが必要。
ヘッドカラーも有効。

クレートにいる時間が長いため改善を。
同時にコンサルテーションに必要な項目を確認。
シートに改良点あり。

②生後5ヶ月の飼主の脚を咬む柴犬:
娘が散歩に行くときと、母親との散歩帰りに咬む。
強化子は何かを考える。
「負の強化」の場合は「危険」か「帰宅」の回避が、
「正の強化」の場合は「飼主の反応」か「散歩自体」が
ごほうびとなる。

咬まれないようにしながら機能が同じ(同様の結果が得られる)
他の行動を教え強化する。
応用行動分析の手法について、次回、勉強をすることに。

③食事を出される時に牙を見せ唸る柴:
この犬は散歩からの帰りに鎖をつなごうとするとキレて咬む。
今回は食事時の問題についての報告。

アプローチの手順は、
1)おいしいオヤツを手に持って近づきオスワリをすると与える。
(ドッグフードを持っていくと唸る)
2)空の皿を置き、オヤツを持って近づきオスワリしたら皿に入れる。
3)ドッグフードとオヤツを持って近づきオスワリしたら皿に入れる。
4)ドッグフードを持って近づきオスワリしたら皿に入れる。
5)近くに置いてあるドッグフードを手に取り、
近づいてオスワリしたら皿に入れる。
6)皿の回収後はさらにおいしいオヤツをあげる。
(すべての過程で、唸ったらUターンし、
唸るのをやめたら再度近づくことを繰り返す。)

この後、唸らなくなったことから、
行動レパートリーに唸る以外の行動選択がなく、
その行動が強化されていたが、新たな行動を理解(正の強化)し、
唸ることをやめた(負の弱化)、という感じ。
リードをつなぐ件は次回にご報告。

◆映像(参加者のインストラクター制作
・時間を延ばす:犬が人の手で作った輪っかに鼻を突っ込み
そのまま静止するまでのシェイピングの映像。

・金魚の輪くぐりシェイピング:
光を二次強化子にしたシェイピングはお見事!
金魚の学習過程が見れる!
YouTubeで検索可能とのことなのでぜひ一度ご覧あれ。
D.I.N.G.O.のHPのトップページ右下にある
ブログ「ウルトラシロの…」から入れる。

◆本の紹介
普段お客様にお薦めしている本と、新しく出た本を紹介。
『ブレイン・ルール』は学習の際の脳の働き方を12にまとめたもので
とっても面白く、人に教える際に参考になる。

ヴィベケ・リーセの『ドッグトレーナーに必要な…』シリーズの
続巻2冊を紹介。
首輪による身体的影響についての記述があり、
そのひとつとして眼圧の上昇が問題視されている。

◆NRM(ノーリウォードマーカー)について考える
「あっ」は「負の弱化」(やろうとする行動を弱化)と
      「正の強化」(やめる行動を強化)
「残念」は「負の弱化」(やろうとする行動を弱化)
「違う」は消去(やろうとする行動を消去)と
      「正の強化」(他の行動を強化)

「違う」を覚えると消去バーストが起こらない。
考えてみれば古いけど画期的な合図かも。

※『弱化と消去の合図』でより詳しく紹介している。

以上、ご報告「前半」でした。

勉強会報告7

2013年2月27日の勉強会報告、今回は少し簡単なまとめ。

◆まずはコミュニケーションチェックの読み方の解説
コミュニケーションチェックは、使用している僕たちにとっては
なくてはならないもの。
ただ、読み取るにはそれなりにコツが必要なので
それを共有できるようにと数例解説してみた。

コミュニケーションチェックは 
こちらからその解説とともにダウンロード可能。

例えば(これは当日解説したものとは異なるが…)、
チワワ、オス、1歳未去勢 一番問題な行動「吠え」
2・4―13・1・8・4‐32・33・45‐2 の場合、
数字は左から

ストレス度合・ストレス管理―
社会性・安全な関係・愛着(依存)・行動抑制―
スペースを守る&管理度合・物を守る&管理度合・
飼主の関心欲求&管理度合―
咬みの抑制

を表している。
この数字からわかることは、

①ストレス行動がいくつか見られるが、飼い方(ストレス管理)に
それ程問題はない。
別の理由でストレスがかかっていると考えられる。

②社会性が13と非常に高く、かつスペースを守る傾向がかなり高いため、
それがストレス行動の原因のひとつになっている可能性が高い。
スペースを守らせない環境づくりと他人に対する社会化が必要。

③飼主との関係は、お互いが力づくで要求を伝えることはしていない。
が、飼主の関心の管理の高さに対して欲求が非常に高いことから
かなり押しの強い犬であることがわかる。

④飼主への愛着が高いことと③を考えると、
飼主の意思を尊重させる機会を多くつくること、
それには抑制(マテなど)が伴っていることが必要。
愛情のダダ漏れ(要求行動に常に応えてしまうこと)には注意する。

⑤行動抑制はそれ程高くなく、気に入らないとキレるタイプではない。
そこで④の学習による効果が得られやすいと推測される。

⑥物を守る傾向があるため、守らせない環境管理と
物を返してもらう練習が必要。
咬みについては、物を守る行動かスペースを守る行動に
起因している可能性が高い。ので確認し、管理の方法を検討する。

ということなどが読み取れる。
これをもとに飼主さんから情報を得ていくと非常に効率的。
また、多くの場合、結構当たっていたりするので(!)、
飼主さんにこちらの意見を聞いてもらえやすくなったりする。
(この効果は大きい?)

次に問題行動シートを確認
排泄、興奮、吠えなどの問題行動への対処法について説明。
シートは問題を細かく分けて各々の解決法を記してある。
例えば排泄は6つのケースについて考えられている。
早く完成させ、できれば公開したいと思っている。
乞うご期待!

◆アメリカのサンディエゴのドッグトレーナーのところに
行かれた参加者からの研修報告
アメリカのドッグデイケア―の施設で日本人がオーナー。
アメリカの犬事情などが垣間見られた。
クラスや預かりなど写真を見せてもらいながら解説していただいた。

◆その後、2日後に迫った鈴鹿短大でのシンポジウムで発表する予定の
講演の予行演習を行いご意見いただく。
「鈴鹿短大では犬についてどんなことをしているのか」
を説明するために、散歩中の問題行動を解決するというネタ。

通常は少年院で行う演目で、問題解決には多くの要素が含まれる上、
参加者とともに考えられるので、私たちの考え方を知ってもらうのに
とても有効だと思う。
(追記:シンポジウムの講演は何とかうまくいき、
参加者からは良い評価を頂けたようです…よかった。)

◆本の紹介では『アイデアのちから』を取り上げ、
プレゼンテーションのガー・レイノルズの本の話をちょっと。

『アイデアのちから』はとても面白いので、
プレゼンテーションをする必要のあるかたにはおススメ。
以前に読んだ『スイッチ』(これもお勧め!)の著者による
ベストセラー。

記憶に焼きつくお話しには6つのルールが必要で、
①単純明快で、②意外性があり、③具体的であり、④信頼性がある
⑤感情に訴えるもので、⑥物語性がある、ことが重要。
それを詳しく解説している本。

◆参加者から愛着についての論文紹介があった。
母親と子どもの関係を、犬と飼主の関係に置き換えて考えてみると
とても興味深い。
そのうち犬との愛着関係チェックリストをつくりたいと思う。

犬のモチベーションは、損・得とその質で決まるが、
愛着が犬との関係に与える影響が数値化できれば、
飼主さんにはよい接し方の指標になるのではないかと思う。

今回は以上。
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