久しぶりのブログ。
ながらくサボっていた。
最近はありがたいことにセミナーの仕事が増えてきて
準備に追われている。
書きたいことはいろいろとあるのでぼちぼち再開することに。
学習の原理を犬の行動に当てはめて考えるのは面白い。
ただ、僕にとってそれは学習の原理を探求したいからではなく、
少しでも「犬」やその行動を理解したいから。
なので行動学も学びたいし、脳の働きも知りたい。
学習の原理や認知の特徴も理解したいと思う。
僕たちの耳に入る情報の多くは何がしかのフィルターがかかっている。
それは仕方のないことだし、
逆に、ある人のフィルターにかかるとこの出来事がどう見えるのか?
を知りたいこともある。
ただ、フィルターのかかった「形」だけにこだわると
応用が利かなくなることが多々ある。
(「こんな時はこうするべし」という、理由抜きのルールなど)
で、できるだけおおもとの情報も知っておきたいと思う。
それが学問としての行動分析学や学習心理学、認知、行動学などを
学ぶ理由のひとつ。
(とっても楽しい!というのがホントのところかもしれない…)
話は変わるが、
年に1,2度お会いするのだが、毎度名前が出てこない方がいる。
顔は覚えているし、どこで何をしている方かも記憶している。
で、周りの人にこっそり名前を確認することになるのだが、
とっても失礼なことなので何とか覚えたいと思う。
しかし、次にお会いした時にはすっかり忘れているのだ。
また、子どものときから「エレベーター」と「エスカレーター」を
間違えてしまうことがあったし、わが家の娘は中学生になっても
「おとうさん」と「おかあさん」を言い間違えることがあった。
(そういえば最近はないかな…呼ばれることがなくなったのかも!?)
少し前の本になるが、ジョン・メディナ著の「ブレイン・ルール」
(日本放送出版協会)によると、
脳はある単語を最初に記憶した場所をその後も使い続けるそうだ。
もしそうなら最初に単語が引き出しにくい場所にしまい込まれると、
思い出すのに毎回ひと苦労するという現象も理解できる。
で、すぐに忘れてしまう例の人の名前を、
別の場所にしまい直してみることにした。
名前が「山越」だとすると、その人の顔は忘れていないので、
その顔の人が山を越えている「絵」を想像して記憶することにした。
なんとそれ以来、その人の名前を忘れることがなくなった。
(記憶の方法を「文字」から「絵」にすることで忘れにくくなっただけ
かもしれないが。)
犬とのエクササイズを考える時、
上記のルールが行動を学ぶときにも適用されるとしたら、
教え方もそのことを考慮したほうがよさそうだ。
今までの経験からも当てはまる事例が何例かある。
例えば「フセ」。

少しずつ考えさせながら、自ら伏せる行動を引き出す方法をとるより、
誘導で速い動きを引き出してから自発させた方が素早く伏せる、
ということが何度かあったことを思い出した。
フセを「速い動きで伏せること」と脳に記憶されることで、
それ以降もフセといえば素早い動きで伏せるようになるのだろうか。
もちろん前者でも誘導で伏せる段階は最初に必要なので、
その動きの速度が早まるまでしっかり教えておく方が
素早いフセになるということかもしれない。
ただ、プロンプトは繰り返されるとその動きが合図になってしまうので、
注意が必要だが…。
以前、訓練士さん制作のトレーニングビデオで、
ボールの価値をとことん高め、それをルアーにして素早い動きを
作っていく映像を見た。
それが速い動きを作る基本的な方法なのであれば、
上記のような理由が裏付けとなるのかもしれない。
もちろん時間的なシェイピング(と言ってよいのか?)を使っても
動きを速めていくことは可能だと思うが、
あのすばやい動きをリミテッドホールド(時間制限)で
再現するにはかなり時間がかかるのかな?と感じる。
どなたか試してみて欲しい。
そういえば匂いやシチュエーションは記憶にかなり影響するようなので、
エクササイズをつくる際にはそれも考慮すべきなのだろう。